たっぷり遊べるハイクラスPND、どれが買い?
PND(ポータブル・ナビ・デバイス)と言えどもビルトインタイプのカーナビに負けない性能を持っているのが、大型モニターを装備するハイクラスモデル。視認性の高いモニターは、5インチ~7インチと十分な大きさを持っている。価格は5万円前後のモデルが多く、機能面では豊富な検索データや詳細なルートガイドもあり、満足度は高い。ワンセグや動画再生などのAV機能も備えているので、使用用途も幅広い。
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モデルによってはVICS対応のルート案内をしてくれるので、渋滞回避性能も持ち合わせている。ただしモニターが大きいので前方視界を妨げない場所に設置しなければならず、取り付けの自由度は小型のPNDに劣る部分でもある。
パイオニア「Air navi AVIC-T20」
●2009年6月発売 ●実売価格5万4800円(amazon.co.jp調べ)
パイオニア「Air navi AVIC-T20」
5.8インチのワイドモニターを持つAir navi「AVIC-T20」。通常のPNDで使用されるQVGA画質の4倍の画素数を誇るVGA画質を採用しているのもポイント。そして、Air navi最大の特徴となっているのが、インターネットに接続することで得られる様々な情報。たとえば目的地の天気予報や駐車場の空き状況、おすすめのグルメスポットなど最新の情報をカーナビ上で入手することができる。内蔵メモリーは4GBなので検索データも豊富。まず情報量で不満が出ることはないだろう。
サンヨー「GORILLA NV-SB540DT」
●2009年4月発売 ●実売価格6万9800円(amazon.co.jp調べ)
サンヨー「GORILLA NV-SB540DT」
PNDの元祖ともいえるゴリラシリーズの中でもトップクラスの性能を誇るのが、5.2インチサイズの「NV-SB540DT」。内蔵メモリーにはSSDを採用しており、容量は8GB。PNDとしては大容量のメモリーに全国1157エリアの市街地詳細地図を収録。操作性も高く起動や動作はスムーズだ。またFM多重VICSやジャイロセンターといった渋滞回避やGPSのアシスト機能も持ち合わせている。AV機能はワンセグ視聴、動画再生、音楽再生と他のモデルに引けをとらない。
パナソニック「ストラーダポケット CN-MP180D」
●2009年10月発売 ●実売価格5万4800円(編集部調べ)
パナソニック「ストラーダポケット CN-MP180D」
ビルトインタイプでも人気のストラーダシリーズのPND版が「ストラーダポケット」。「CN-MP180D」は、その中ではベーシックなモデルだ。モニターは5インチで、内蔵メモリーは8GB。市街地詳細地図は全国1031都市に対応していて、25mスケールまで詳細を見ることができる。画面は他のモデルよりも小さいが、見にくさを感じることはない。AV機能はワンセグ視聴や動画再生、ピクチャービューアーなどを装備している。
PND選びのポイントその1――設置性がいいのはどれ?
ハイクラスのPNDは、モニターが大型なため、本体の重量が重くなりがち。そのためしっかりとしたマウントやクレードルでないと固定しづらい場合もある。また、前方の視界を妨げないように設置しないと、クルマの運転に支障が出る可能性があるため、注意したい。
パイオニア「Air navi AVIC-T20」
スタンドは六角レンチで角度を調整する必要があるため、若干手間だ
AVIC-T20に付属している取り付け器具は、クレードルと吸盤タイプのスタンド、吸盤をダッシュボードに貼り付けるベースの3つ。吸盤をダッシュボードに直接貼り付けることができないので、ベースを貼り付ける必要がある。本体は比較したモデルの中で最も重い500gなので、しっかり固定しないと走行中にぶれたり外れてしまう。吸盤タイプのスタンドも六角レンチで角度を調整する必要があり、多少手間が掛かる。
サンヨー「GORILLA NV-SB540DT」
本体をセットする前に一日ほどスタンドをダッシュボードに固定しておく必要があるが、設置は容易
NV-SB540DTの取り付けセットは、一体化したスタンドベースだけ。そこにワンタッチでモニターをはめ込めばクルマにセットできる。だが、スタンドは粘着テープで取り付けるタイプなので、本体をセットする前に一日ほどスタンドをダッシュボードに固定しておく必要がある。スタンドが吸盤タイプでない点を除けば、取り付けは容易だ。ただ、配線がややこしいのが難点。走行中に操作をしないように、シフトレバーが「P」の位置にあるかを知らせるための施工が必要。説明書を見ればできるが、やや手間がかかる。
パナソニック「ストラーダポケット CN-MP180D」
他の2台に比べ、最もスムーズに取り付けが可能だ
CN-MP180Dは、他の2台に比べるともっともスムーズに取り付けできる。付属しているのは吸盤タイプのスタンド。モニターを固定するのもワンタッチなので簡単だ。モニターの角度は、ボールジョイントとなっているので自由に向きを調整できるのも手軽だ。取り付け方法は、ダッシュボードに吸盤を貼り付け、取り付け面の空気を抜けば完成となる。吸盤タイプのスタンドは、吸着力が強く、どんな素材のダッシュボードでも取り付けることができるはず。
PND選びのポイントその2――地図が見やすいのはどれ?
左右2画面表示や2D、3D切り替え表示などは、このクラスだと当然の機能となる。そのため差が出てくるのは、市街地の詳細地図や3Dランドマーク表示などだろう。また、地図の色使いもユーザーによって好みがあるはずなので、実際に見て判断するのが良い。
パイオニア「Air navi AVIC-T20」
表示スケールが50m~500kmと、他の2モデルに比べて詳細表示が一段階少ないのはやや気になる
AVIC-T20は、表示スケールが50m~500kmと他の2モデルに比べて詳細な表示が一段階少ないのが気になる。だが、市街地の細かい地図までいらないという人や、都心部は大通りしか通らないという人なら問題ないだろう。その他の表示は3D・2D切り替え、文字の大きさ調整、ハイウェイモードなど、HDDのハイクラスから踏襲するデザインを用いている。カロッツェリアブランドを使用しているユーザーなら見慣れているだろう。
サンヨー「GORILLA NV-SB540DT」
3モデルの中では、もっとも再現性が高かった
HDDモデルに負けない地図情報を収録しているNV-SB540DT。看板や建物などをリアルに再現した3Dリアル交差点や方面看板、都市高速入り口画像など迷いやすいポイントを実際の景色と同等の画像で案内してくれる。また、全国の主要名所は3Dの立体アイコンを用いて表示。これもオリジナリティがあって面白い機能だ。表示スケールも詳細で25mとなっていて、細かい街路も表示している。3モデルの中では、もっとも再現性が高いマップとなっている。
パナソニック「ストラーダポケット CN-MP180D」
NV-SB540DTと比べてしまうと、3Dランドマークや交差点名の表示がやや見づらく感じる
地図スケールは25m~200kmの範囲で表示ができ、2D・3D・左右2画面表示と申し分ない地図機能を持っているCN-MP180D。市街地も詳細な地図を表示するため、小道に入っても迷うことがない。ハイウェイモードでは出入り口のETCレーンも表示するので、ドライバーはどのレーンを通ればよいかがすぐに分かる。というように優れた地図表示となるが、NV-SB540DTと比べると3Dランドマークや交差点名の表示が見づらいと感じた。
PND選びのポイントその3――使い勝手はどう?
ハイクラスモデルは、充実した検索機能やAV性能などを持ち合わせているが、使いやすいかどうかは操作性によるところが大きい。タッチパネルの押しやすさや動作スピード、起動時間などの使い勝手を調べてみた。
キー配列が使いやすいのはコレだ!
AVIC-T20。左側にコントロールダイヤルを備えており操作しやすいが、動作スピードはやや劣る NV-SB540DT。50音すべて表示するが、画面サイズが大きいため押しにくさは感じない CN-MP180D。こちらも同様に50音だが、使い勝手はよかった
キー配列や操作性は、モニターの大きさにも影響される。3モデルの中でもっとも画面が大きいのは5.8インチサイズを採用するAVIC-T20。それに加え、モニター左側にコントロールダイヤルも備えているので操作しやすい。他の2モデルはすべてタッチパネルでの操作となる。だが大型のモニターなので、文字入力も他のボタンを押して間違えてしまうということも少ない。
タッチパネルの感度は、どのモデルも扱いやすくモニターが大きいため押し間違いも少なかった。違いは名称入力するときに50音が表示されるか、それとも携帯電話のように「あ」「か」「さ」「た」「な」が表示されること。これはユーザーの好みでどちらが使いやすいか分かれるので、あえて結論は出さない。動作スピードという点では、内蔵メモリーの容量が小さいAVIC-T20が多少劣っているように感じた。
起動時間が最も速いのはこれだ!
機種名 起動時間(3回の平均値を計測)
AVIC-T20 30秒
NV-SB540DT 5秒
CN-MP180D 7秒
クルマのエンジンを始動させると電源が入るのがNV-SB540DTとCN-MP180D。この2モデルは5~7秒程度でストレスなく起動する。それに対しAVIC-T20はユーザー自身がスイッチを入れないと電源が入らず、起動時間も30秒とかなり長い。これは通信モジュールとの接続に時間が掛かるためかもしれないが、急いでいるときなどは多少の不満を覚えるかもしれない。
PND選びのポイントその4――目的地を見つけやすいのはどれ?
PNDの性能差は、内蔵しているメモリーの容量に起因している。検索データの収録数やジャンルごとの詳細データなどもメモリー容量が大きいほど豊富となる。だが、ハイクラスのPNDだと独自の検索項目なども充実しているので、目的地を選択するのに必要だと思う検索ジャンルが入っているモデルを選ぶべきだろう。
情報量で選ぶならコレだ!
情報量の豊富さなら、通信機能を備えるAVIC-T20が圧倒的に有利。飲食店の詳細やガソリンスタンドの販売価格などもインターネットの情報から確認できる。PNDに収録されたデータ量を見ると、NV-SB540DTは住所検索が3500万件、電話番号検索が4000万件、施設検索が1000万件。CN-MP180Dは、住所検索が3600万件、電話番号検索が910万件となっている。
予測時間とのギャップが少ないのはコレだ!
長距離の移動や渋滞時期の移動は、目的地までどのくらいの時間が掛かるか分からなく予定が立てにくいことがあるだろう。そこで、目標となるのが到着予想時間。ここでは、高速を使った100km程度の道のりを通り、実際の到着時間と予想時間のずれを確認した。
機種名 予想時間(実際とのずれ) 実際にかかった時間
AVIC-T20 94分(+34分) 60分
NV-SB540DT 65分(+5分)
CN-MP180D 77分(+17分)
予想時間と実際の時間がもっとも近かったのはNV-SB540DTだった。その誤差は約5分、これはFM多重VICSを唯一搭載していたからかもしれない。一方で、もっとも時間にずれが生じたのはAVIC-T20で、約34分だった。
検索スピードが最も速いのはコレだ!
ここで紹介するPNDは、どれもルート探索で目的別に最適なルートを表示してくれる。このルート案内を表示する時間を比較してみた。もっとも早かったのはNV-SB540DTで、もっとも遅かったのがAVIC-T20。これは内蔵メモリーの性能によるところが大きいはず。ただし極端に遅いことはないので、ルート探索の時間でストレスを感じることはないだろう。
PND選びのポイントその5――GPSの精度はどう?
ハイクラスのPNDになると内蔵のGPS以外に、上下左右の方向や傾斜を判断するジャイロセンサー、クルマの進行方向や速度を確認する加速度センサーを装備している。これらのセンサーにより、確実に自車位置を測位しているのだ。また、渋滞情報をルート案内に加味するVICSを取り入れているモデルもある。
まずは3台の特徴をチェック!
各モデル独自のセンサーやアルゴリズムでGPSの測位を実施。それにより、トンネル内や高架下でも的確に自車位置を表示している。
まずCN-MP180Dのセンサーは、内蔵GPS・ジャイロセンサー・加速度センサーと、ストラーダ独自のアルゴリズムにより正確な位置情報を得ている。NV-SB540DTは「ゴリラジャイロ」と呼ばれる上下左右と加速度を合わせた高精度のセンサーにより自車の動きを検知する。AVIC-T20も加速度・ジャイロセンサーにより自車位置を測位している。
目的に合わせたルート案内をしてくれるのはコレだ!
目的地設定を行ないルート案内を開始するときに探索結果が出る。そのとき、有料道路優先や一般道優先、距離優先というようなユーザーの好みをどのモデルも選べるようになっている。
ほぼどのモデルも同じ内容だが、NV-SB540DTのみ「道幅優先」という項目がある。これは、なるべく道幅の広いところを通っていくルート探索で、細かい路地などを通ることが少ないので、安心して目的地まで走行することができる。その他も探索ルートは、どのモデルもほぼ同様だが、AVIC-T20のみ渋滞回避設定を設けている。
自車位置の把握がしやすいのはコレだ!
先述のように、3モデルともに内蔵GPS、ジャイロセンサー、加速度センサーなどを合わせて自車位置を測位しているので、通常のトンネルや高層ビル群の間、高架下でも実際と異なった自車位置を表示することはない。
まれに、長いトンネルなどの長時間に渡ってGPSを測位できない場合は、走行しているのに自車が止まっているように表示する。それでも、GPSを測位できればすぐに元通りになる。実際に運転していて自車位置測位を比較したが、モデルによる差はほぼなかった。
結論:あなたに合ったモデルはコレだ!
ハイクラスモデルになるとAV機能にワンセグ視聴は当たり前。動画再生や音楽再生、録画機能はモデルによって可否があるが、これらの性能はユーザーの好みだろう。ただ、ビルトインタイプと比べると性能は劣るので、あくまでも付属する機能と考えるべきだろう。また、各社ともに、SDカードなどのメディアを経由して、オリジナルの機能を使うこともできるので、これらの付加価値もチェックしておきたい。
AV機能をまとめてチェック!
3タイプともにワンセグ受信でTVを見ることができる。受信感度はどのモデルもほぼ同じでケータイと同等のレベルと思っておこう。その他の機能は若干異なり、音楽再生ができるのがAVIC-T20とNV-SB540DTだ。
NV-SB540DTはワンセグの録画機能も付いている。CN-MP180Dは音楽再生がない代わりに、録画した番組をSDカード経由で見ることができる。ただし、内蔵スピーカーは音質や音量なども制限されるため、あくまでも付加価値と考えるのが無難だ。
パイオニア「Air navi AVIC-T20」
通信モジュールを使用することで、内蔵メモリーに収録されているデータ以上の情報を得られるのがAVIC-T20。この機能は、他のモデルにはない強みで、通信接続を行なうことで、リアルタイムのパーキング情報、ガソリン価格、グルメ情報など運転中に知りたい情報を検索出来るのが強み。ただ、通信接続をするには別途料金が掛かるので、このコストをどう考えるかはユーザー次第。ハード面は、本体の重量が重いことや固定するマウントにやや難があるところが気になった。
サンヨー「GORILLA NV-SB540DT」
内蔵メモリーに唯一SSDを使っているのがNV-SB540DT。SSDは耐久性が高く、クルマの振動やホコリなどにも強いのがメリットになる。そして注目したいのがFM多重VICSに対応しているということ。ビーコンに比べれば渋滞予測は劣ってしまうが、VICSを搭載していない他のモデルよりは、渋滞を考慮したルート案内をしてくれる。モニターの解像度や輝度も十分なので、ワンセグも電波が入ればきれいに映る。ただ、取り付ける際にパーキングレバーと連動させないといけないので、設置するときの煩わしさは感じてしまう。
パナソニック「ストラーダポケット CN-MP180D」
比較したモデルの中でもっとも小型な5インチのモニターを採用しているCN-MP180。そのため、ダッシュボードのどこに置いても前方の視界を遮る可能性が少ない。また、吸盤タイプのマウントも吸着力が強く、雲台の自由度も高いので設置性に優れているといえる。性能面でも8GBの内蔵メモリーを採用しているので、詳細な地図も表示することができるし、リルートの反応も素早い。Googleマップなど、パソコン上で目的地の情報を調べてSDメモリー経由で表示できる機能なども使い勝手が良かった。
著者紹介――真鍋裕行
大学在学中にニューズ出版に入社、走り系クルマ雑誌「ハイパーレブ」「レブスピード」の編集部を経て、現在はフリーランスに。自身も愛車のフェアレディZ(Z33)を駆ってレースや走行会に参加するなど、走って書ける自動車ライター・エディター。
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