軽快に操作できる高性能なポータブルナビ
三洋電機コンシューマエレクトロニクスが開発・生産するポータブルナビゲーション「GORILLA(ゴリラ)」は、手軽に持ち運べるポータブル性とともに、軽快な操作を実現した高機能性を両立しているのが特徴だ。「これまでは、ポータブルだから機能が劣るという悪いイメージがあった。だがGORILLAは、これを払拭できるだけの大きな進化を遂げた」。そう話すのは、同社の車載機器事業部商品企画統括部ポータブル企画部ポータブル企画課・主任技術員の入江利至さん。2008年の製品から搭載された「GORILLA Engine」によって、一般的な組み込み型のカーナビに比べても遜色がない高機能化を実現している。3月28日から地方圏の高速道路が土日祝日に上限1000円で利用できるようになり、自動車に乗る機会が増える読者も少なくないだろう。ドライブを一層楽しむためのツールとして、GORILLAはさらに注目されそうだ。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090401/143098/
機能が劣るのでは?というユーザーの声に何度も悔しい思いをした
三洋電機のGORILLAは、ポータブルナビゲーション分野において、存在感を発揮していますね。ユニークなネーミングも印象的です。
入江 GORILLAというネーミングは、1995年に発売した第1号モデルのデザインから決定したものです。本体の上部にGPS(全地球測位システム)アンテナを搭載し、そのデザインがゴリラの頭に似ていることに由来しています。当初は、CDの活用からスタートしたGORILLAですが、それがDVDになり、HDDになり、現在ではSSD(フラッシュメモリードライブ)を搭載したモデルが中心となっています。
1995年に発売した初代GORILLA。このユニークな形状からGORILLAのネーミングとなった
[画像のクリックで拡大表示] GORILLAは、車から持ち出して利用することもできる「PND(ポータブル・ナビゲーション・デバイス)」の市場を切り開いてきたと自負していますが、その一方で、インダッシュ(車への組み込み型)のカーナビに比べて、機能が劣るという印象が強く残っている。価格面でも安いですから、GORILLAの良さを説明しても、「でも、操作性が悪いでしょう」とか、「オモチャみたいなものじゃないないの」と言われる。何度も悔しい思いをしました。これをなんとしてでも払拭したかった。08年4月に投入したGORILLAでは、高速処理エンジン「GORILLA Engine」を開発し、PNDに対して、多くの人が持つ悪いイメージを、完全に払拭できる性能にすることに成功しました。
高速処理できるエンジンを開発しないとパンクしてしまう
GORILLA Engineの特徴はどこにありますか。
入江 GORILLA Engineは、高速CPUを核に、DDR(Double Data Rate)や2DG(2 Dimension Graphics)などの回路で構成し、システム全体の高速化を実現し、高速スクロールや高速ルート検索、高速描画などを可能としています。一度、画面を触っていただくとその高速性がすぐに理解できます。指で画面をなぞってもらえば、指に沿って画面がスムーズに移動します。また、高速描画の実現によって、従来のカーナビでよく見られていた道路の線のギザキザ感がなくなったり、地図上の芝生が単なる緑色の表示から、芝生らしい表現に変わったりといった、より自然な表現ができるようになっています。メニューの切り替えや検索時の入力が大幅に高速化されたのもGORILLA Engineによる成果の一つです。
もともとGORILLA Engineを開発するきっかけはなんだったのでしょうか。
入江 06年11月に当社は、GORILLAシリーズの新たな展開として、小型タイプの「Mini GORILLA」と呼ぶ製品を出しました。これが大変好評のうちに受け入れられた。その成功を、さらに次の成功にどうつなげるかといったことを検討したときに、どうしてもデータの扱い容量を増やす必要が出てくるだろうというのが、社内の共通認識だった。検索一つをとっても、利便性を高めるためには、膨大なデータをハンドリングしなくてはならない。
実際に現行機種では、約4000万件の電話番号、3400万件の住所地番、1000万件の施設名という膨大なデータを搭載し、その中から迅速に目的の結果を検索できるようにしています。また、1400ジャンル、450万件というジャンル別検索も行えるようにした。3次元画像での高速表示や、より見やすい画像地図情報を収録する必要もありますから、こうしたことを考えると、高速処理ができるエンジンを開発しないとパンクしてしまうし、次の進化を乗り切れないと考えたのです。
5.2型液晶を搭載したヒット商品の「Mini GORILLA NV-510DT」
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GORILLA Engineの開発でハイエンドクラスに劣らない操作性を実現
入江 半年以上、検討を重ねて実際に設計を開始したのが07年夏頃。ターゲットを08年4月の製品に搭載することに設定しました。目標とした性能は、インダッシュタイプのハイエンドカーナビクラスの性能を、GORILLAで実現することです。その結果、完成したのがGORILLA Engineだったのです。このGORILLA Engineの搭載によって、他社のポータブルナビゲーションに比べて圧倒的な性能を実現した。そして、20万~30万円もするインダッシュのカーナビと比べても、操作性が劣ると感じさせないほどの性能を実現しています。少なくとも、09年度中には他社が追いつけないぐらいの性能を実現したと自負しています。
このGORILLAのカタログを見てもらうとわかるのですが(カタログを開きながら)、表紙を開いた2ページ目のところに、GORILLA Engineの説明を入れています。「動作が速い」「地図がきれい」「情報が多い」というGORILLA Engineならではの機能を表す文字も大きくしました。GORILLA Engineによる進化を表現したくて、こだわったレイアウトなんですよ(笑)。それだけGORILLAの高性能化には自信があるんだ、と受け取ってもらえればと思っています。
最上位機種となる7型液晶搭載「NV-SD750FT」
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(次週に続く)
大河原克行
日経トレンディネットの「大河原克行のこれは“にゅーす”です」の連載をはじめ、月刊宝島(宝島社)、PCfan、WindowsMode(毎日コミュニケーションズ)などで連載および定期記事を執筆中。著書に、「ソニースピリットはよみがえるか」、「松下電器 変革への挑戦」、「作るキヤノンを支える売るキヤノン」、「ネット通販で年商100億円」、「パソコンウォーズ最前線」などがある。
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