MSがGPSナビメーカーを提訴、その意味するところ
Microsoftが、ポータブルGPSメーカーのTomTomを提訴しました。同社が保有する8件の特許権を侵害したことが理由だそうで、うち3件がLinuxカーネルの実装に関連しているとの分析があります。約2年前にも、オープンソースソフトウェアに235件の特許侵害があるとの発言があり、すわオープンソースコミュニティに対する宣戦布告か? と一部では騒然となりましたが、今回は事態が少々異なります。
http://builder.japan.zdnet.com/member/u48681/blog/2009/03/03/entry_27020801/
それは、対象としてLinuxが名指しされていないことです。ワシントン州宛に提出された訴状の写しを眺めてみましたが、「Linux」という単語はただの一度も登場しません。前述した3件とは、「Common Name Space for Long and Short Filenames」などFAT32ファイルシステムに関連する事柄で、LinuxカーネルにコントリビュートされてはいるもののLinuxの本質ではないことが、名指しされなかった理由と考えられます。
ところで、米国における民事訴訟の流れはここ日本とだいぶ異なります。裁判所へ訴状(Complaint)を提出する前に、要求書(Demand Letter)を相手側に渡し、違反内容や要求事項を伝えるというのです。そして和解に至らず訴状提出となると、訴えられた側は数週間以内に異議申立(Demurrer)もしくは否認(Denial)を行い、訴状の見直しを要求するという流れです。これが何度か繰り返されることも多いらしく、判決が出るまでに時間も費用もかかるというわけですね。
話を訴状に戻しますと、MSが主張する8件の特許侵害のうち前半5件は車載型コンピュータに関連するプロプライエタリなもので、ファイルシステム関連はその後です。FAT32関連のコードは、これまで何年もLinuxなどオープンソースOSに採用されてきましたが、直接訴訟の対象になったという記憶はありません。訴訟の論点は、車載型コンピュータに関するライセンス問題にあることは確実でしょう。
それでは、なぜFAT関連の3件を訴状に載せたのでしょうか。MSとTomTomの接点すべてを洗い出した結果なのかもしれませんが、FAT32のサポートはフラッシュメモリーを使ううえで必須ですから、気になる話ではあります。
スポンサードリンク